'53 FENDER PRINCETON-AMP
(Tweed Covering) SOLD

'46年に発表されたフェンダー・アンプ“プリンストン”は, 当初は,カバーリングのないウッドキ・ャビネットに, ノン・コントロール(ボリュームすらない)というスタイルだったが, '48年途中からは,キャビネットがツイード生地で覆われたスタイルに変更され (通称“ツイード・プリンストン”),ボリュームとトーンの各コントロールも取り付けられるようになる。
ツイード・プリンストン・アンプは,外観等の仕様により以下の3つのバージョンがある。 まず最初のバージョンは, 前面のスピーカー部のサランネットの範囲は小さく,その縁部分の上下左右の幅が太いいスタイルをしており, 古いテレビのルックスに似ていることから“TVフロント”モデルと呼ばれる。
次のバージョンは'52年途中からのモデルで,写真の'53年モデルのようなスタイルだ。 それは,いくぶんサランネット面積は広くなったものの, まだ上側および下側の縁部分が広い外観をしていることから,“ワイド・パネル”期と呼ばれている。
ワイド・パネル期までのプリンストンは, プリアンプ部の真空管に6SC7(パワー管=6V6,整流管=5Y3)を使用したRMS出力4.5ワット, 8インチ・スピーカー X 1発という仕様である。 ちなみに,写真の'53年モデルの前上部のネーム・プレートは, そこに記されたFenderの字体がブロック体だが, '55年頃には筆記体のものに変更される。
最後のツイード・プリンストンのバージョンは'54年途中からのモデルで, 出力,スピーカー・サイズなどはそれまでと同じだが, プリアンプ部に使用される真空管が12AX7となり, サランネット部の範囲が広く,ネーム・プレート部のパネル部分が狭い (通称“ナロー・パネル”)外観のものだ。
その後'61年頃には,外観的にはキャビネットにビニール・レザー(トーレックス)が張られ, コントロール・パネルが前面に設置され, 12ワットRMS出力,10インチ・スピーカー X 1発というという仕様に変更されていく。

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