'72 FENDER PRECISION BASS
Sunburst/Rose SOLD

'51年に発表された“プレシジョン・ベース”は,プロダクション・ラインとしては世界初の エレクトリック・ソリッド・ベースである。 当初の角張ったボディ形状の通称“オリジナル・プレシジョン・ベース”期, コンターが入れられた'54年からの第2期など,いくつかの仕様変更を経て, '57中期からは,その後の基本仕様となった“スプリット・ピックアップ”が搭載されたモデルとなった。
フェンダー・ギター,ベースの共通する使用変更の歴史では, それまでメイプル1ピース・ネックのみで製造されていたものが, セールス・サイド主導により楽器に高級感を与える目的で '59年後半にローズウッド指板に変更された。
ヘッドに貼られたフェンダーのブランド・ネームの字体は, 製造年式を判別するためによく利用されるもののひとつであるが, 最初期から'64年前期までは通称“スパゲティ・ロゴ”, '64年中期からは通称“トランジション・ロゴ”となる。 一般に,プレシジョン・ベースの人気の高い製造年式は, そのトランジション・ロゴが貼られていた'68年前期まででのモデルの人気が高いが, それはロゴの違いということだけでなく, ネックにラッカー・フィニッシュを施していた時期ということに加え, それ以降のモデルより中音域の豊かなサウンドを持っている時期と合致する。 ただし,この時期までのプレシジョン・ベースのネック・グリップは幅が広く薄いため (例外的にはオプションの細ネックが存在するが), 細めのネックに慣れたプレーヤーには,違和感のある演奏性かもしれない。 ネック・グリップの好みを優先する際には,比較的細めのネック・グリップとなる '68年後期以降のモデルを選択する人も多い。 ただし'75年頃以降は,タイトなサウンドを生み出す要因となるアッシュ・ボディに変更され始めるため (ただし,それ以前でもナチュラルやブロンド・フィニッシュはアッシュ材), 中音域の豊かなサウンドを好むのであれば'75年以前のアルダー材ボディにこだわるべきだろう。
この'72年モデルは3.76Kgと,ベースとしては超軽量。

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