'60 FENDER PRECISION BASS
Sunburst/Rose (Slab) SOLD

根強い人気を保っているフェンダー“プレシジョン・ベース”。 '51年に発表された世界初の(プロダクション・ラインとして) エレクトリック・ベースであるプレシジョン・ベースは, 当初コンターを持たない角張ったボディやシングル・コイル・ピックアップ, その後とは異なるスタイルのピックガードのモデル(通称“オリジナル・プレシジョン・ベース”) であったが,'54年からは,スタンダード・フィニッシュが それまでのブロンドからサンバーストに変更され,それとほぼ同時にボディにコンターが入れられた。 そして'57中期からは“スプリット・ピックアップ”の搭載とピックガード・スタイル の変更が行なわれたことで,プレシジョン・ベースの基本仕様が安定した言える。
初期のプレシジョン・ベースのネックも,同時期のほかのモデルと同様に, 指板部分が一体化した通称“メイプル1ピース・ネック”であったが, '59年後半には,ほかのモデルとの共通した仕様変更としてローズウッド指板となっている。
この'60年モデルのローズウッド指板は,ネックのメイプル材との接着面が平らな 通称“スラブ・ローズウッド”であるが, 翌'62年中期には接着面が曲面状の通称“ラウンド・ローズウッド”指板に変更される。
'54年以降のプレベのスタンダード・カラーのサンバーストは, 当初は通称“2トーン・サンバースト”と呼ばれるタイプであったが, '58年中期からは,ボディ外周部の黒と中央部の黄色の中間に赤みが加えられた 通称“3トーン・サンバースト”に変更された。 フェンダーの3トーン・サンバースト・フィニッシュは, ちょうどスラブ・ローズウッド指板が採用され始めた'59年中期頃から'60年頃にかけては, 経年変化で塗料の赤みが退色して, この'60年モデルのように2トーン・サンバースト風に見える傾向にある。
また,この'60年モデルのヘッドに貼られた“Fender”というブランド・ネームのデカールは, “スパゲティ・ロゴ”と呼ばれるものだが, '64年中期には通称“トランジション・ロゴ”に変更される。
この60年10月のネック・デイト,'60年8月のボディ・デイトを持つプレベは 相当に使い込まれたルックスをしているが, ネジやフレット,ナット,ポットなど細部に至るまでオリジナル・パーツが残っている貴重なものだ。

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