'70 FENDER PRECISION BASS Sunburst/Rose SOLD

'51年に発表された“プレシジョン・ベース”は,プロダクション・ラインとしては世界初の エレクトリック・ソリッド・ベースである。 当初の角張ったボディ形状の通称“オリジナル・プレシジョン・ベース”期, コンターが入れられた'54年からの第2期など,いくつかの仕様変更を経て, '57中期からは,その後の基本仕様となった“スプリット・ピックアップ”が搭載されたモデルとなった。
フェンダー・ギター,ベースの共通する使用変更の歴史では, それまでメイプル1ピース・ネックのみで製造されていたものが, セールス・サイド主導により楽器に高級感を与える目的で '59年後半にローズウッド指板に変更された。
ヘッドに貼られたフェンダーのブランド・ネームの字体は, 製造年式を判別するためによく利用されるもののひとつであるが, 最初期から'64年前期までは通称“スパゲティ・ロゴ”, '64年中期からは通称“トランジション・ロゴ”となる。 この時期までのプレシジョン・ベースのネック・グリップは幅が広く薄いため (例外的にはオプションの細ネックが存在するが), 細めのネックに慣れたプレーヤーには,違和感のある演奏性かもしれない。
'68年途中から,フェンダーのブランド・ネームは黒文字に金の縁取りが入れられた通称“CBSロゴ”となる。 この時期以降のプレシジョン・ベースのネックは,それまでより細めのネック・グリップとなるため, '68年以前の幅広ネックを好まないひとは, 演奏性の問題で'68年後期以降のモデルを選択する場合も多いようだ。
初期モデルを除き,プレシジョン・ベースと言えば アルダー・ボディ(ただしナチュラルやブロンド・フィニッシュに限ってはアッシュ・ボディ)と スプリット・ピックアップ(1〜2弦用と3〜4弦用とに分割し,それぞれのコイルを直列接続したもの) が生み出す豊かな中低域が特長であったが, '75年頃以降はナチュラルやブロンド・フィニッシュ以外のボディ・カラーでも アッシュ材に変更され始めていく。 この時期以降のアッシュ材は重量の重いものがほとんどということもあり, サウンドはタイトな傾向となるため,伝統的なプレシジョン・ベースのサウンドを求めるのであれば '75年以前のアルダー材ボディにこだわるべきだろう。
この'70年モデルは3.81Kgと,ベースとしては超軽量。 コンディション最上級。

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