'73 GUILD JS BASS II CARVED Natural SOLD

現在はフラット・トップ・ギターのブランドとして有名だが, '60年代に入ってソリッド・ボディ・ギターがミュージック・シーンにおいて定着してくると, ギルドでもソリッド・ボディ・モデルの開発に着手し,'63年に数機種のソリッド・ギターを, そして'64年にはギルド初のソリッド・ベース“ジェット・スター・ベース”を発表している。 そしてジェット・スター・ベースは'70年にフルモデル・チェンジが行なわれ, 写真のようにギブソンのEBベースを参考にしたと思われるボディ・シェイプを持ったモデルとなり, 正式モデル名は“JSベース”となった(JSはジェット・スターを意味していると思われる)。 JSベースは1ピックアップ仕様の“JSベースI”と,2ピックアップ仕様のこの“JSベースII”の2機種が用意された。
このJSベースIIのコントロールは,各ピックアップそれぞれのボリューム,トーンで, コントロール横に取り付けられたミニ・スイッチは,フロント・ピックアップのロー・カットON/OFFとなっている。 これは,ブーミーなフロント・ピックアップ・サウンドをコンデンサを通すことで低域をカットし, 両ピックアップをミックスした際に歯切れの良いサウンドを生み出すためであろう。 ちなみに,リア・ピックアップは常にコンデンサを通したロー・カット・サウンドとなっており, ブライトなサウンドを生み出している(リッケンバッカー4001べーすなどと同じ手法)。
この'73モデルは,'72年頃からJSベースの特別仕様として生産されたもので, ボディにカシの葉や実の彫刻(Carved)が入れられた特徴的なデザインのギターだ。 ギターのS-100スタンダードにも同様な特別仕様が存在するが, JSベースでのCarved仕様は生産本数が極端に少ないようだ。

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