'78 MUSICMASTER White/Rose
SOLD

'64年にムスタングが登場することによって,ムスタングをロー・コスト・モデルの中心に置き, ムスタングのノン・トレモロ・モデルがデュオソニックIIに, デュオソニックIIの1ピックアップ・モデルがミュージックマスターIIという位置づけとなっていたが, ロー・コスト・モデルと言えどもトレモロ・ユニットを必要とされた時代背景から, '67年にトレモロ・ユニット付きの1ピックアップ・モデル“ブロンコ”が登場したことによって, 以降のロー・コスト・モデルのラインナップに微妙な影響を与えていく。 まず,トレモロ・ユニットを持たないデュオソニックIIが'69年に製造中止となった。 そして,ビギナー向けモデルの主力商品は完全にブロンコへと移行していたため, 同じ1ピックアップ・モデルのミュージックマスターIIはラインナップ上の存在価値を失ってしまった。 しかし,ミュージックマスターIIがカタログから消えることはなかったのは,'69年当時, 大量の半製品ストックを持っていたからだろう。
'75年,フェンダーでラインナップの見直しが行われたのを機に, ミュージックマスターIIはモデル名が“ミュージックマスター”に戻り, ピックガード・デザインがブロンコと共通化され, ラインナップ上の位置づけがブロンコのノン・トレモロ仕様 (ただし,ピックアップのマウント位置はそれまでと同様に, ブロンコがリア側,ミュージックマスターがフロント側のままである)となった。
ネックは、それまで24インチ・スケールの22フレット仕様と 22 1/2インチ・スケールの21フレット仕様が用意されていたが, '75年以降は24インチ・スケールのみの設定となっている。 また,同時期からのボディ・フィニッシュはブラックとホワイトの2色となった。
ミュージックマスターはビギナー向けモデルという性格上, この'78年モデルのように最上級のコンディションを保っているものは珍しい。 この時期のミュージックマスターは,日本にこそ比較的多く輸入されたが, 本国アメリカではあまり出回らなかったようで, 現在のヴィンテージ・ギター市場であまり目にする機会が少ないモデルである。
オリジナル・マニュアル付き。