'60 TELECASTER Blond/Rose
SOLD

世界初の量産型ソリッドボディ・エレクトリック・スパニッシュ・ギター (当時,横に寝かせて弾くスタイルのハワイアン・ギターに対して, 抱えて弾くスタイルをそう呼んだ)として知られる“テレキャスター”は,'50年夏に正式発表された。
当初メイプル1ピース・ネックでデザインされたが, '58の“ジャズマスター”でローズウッド指板がフェンダーで初採用されたのを契機に, '59年中期からはテレキャスターを含むすべてのモデルでローズウッド指板が標準仕様となっている。 62年中期までは,この'60年モデルのように ネック材のメイプルとの接着面が平面状の通称“スラブ・ローズウッド指板”だが, 以降は接着面が曲面状の通称“ラウンド・ローズウッド指板”になる。
テレキャスターの場合,弦はボディ裏側から通して張られるのが一般的だが, '58年後期ごろから'59年にかけては, ブリッジ・プレートの後方側面に開けられた穴を通して張られるように仕様変更された時期があった。 すぐに元の裏通し方式に戻されたが, この'60年モデルのように裏通し方式なのにかかわらず, 弦を通す穴がプレート後方側面にも開けられたものが使用されている。 テレキャスターの歴史上,'58年ごろから'63年ごろにかけては生産本数が減少するようなので, その影響で'58年ごろに生産されたブリッジ・プレートのストックが大量に残っていたのだろう。
ブロンド・フィニッシュなどの白系のボディ・カラーは, ほかのカラーに比べて色焼けが目立ってしまうが, この'60年モデルは最上級のコンディションと言える。