'59 STRAT. Sunburst/Rose (Slab) SOLD

'54年中期に正式発表された当初の“ストラトキャスター(以下ストラト)”は, 先発モデルのテレキャスター('50年正式発表)と同様に, 当初はメイプル1ピース・ネックでデザインされたモデルだったが, '58年発表の“ジャズマスター”でローズウッド指板がフェンダーで初採用されたのを契機に, '59年中期からはストラトを含むすべてのモデルでローズウッド指板が標準仕様となっている。 62年中期までは,この'59年モデルのように ネック材のメイプルとの接着面が平面状の通称“スラブ・ローズウッド指板”だが, 以降は接着面が曲面状の通称“ラウンド・ローズウッド指板”になる。
ボディ材も,当初はテレキャスターと同様にボディにアッシュ材を使用していたが, テレキャスターのスタンダード・ボディ・カラーが, 木目のはっきりしたアッシュ材を使用する必要性が高いブロンド (木目が透けて見えるオフ・ホワイト)フィニッシュなのに対して, ストラトのスタンダード・カラーはサンバースト・フィニッシュであること (アッシュ材は塗装の下地処理に手間もかかる)に加え, アッシュの軽量材を安定的に調達しにくくなってきたことなどの理由から, '56年中期からはアルダー・ボディがストラトの基本仕様となった。
レギュラー・ボディ・カラーのサンバースト・フィニッシュは, 発表時は通称“2トーン・サンバースト”と呼ばれるタイプであったが, '58年中期からは,ボディ外周部の黒と中央部の黄色の中間に赤みが加えられた 通称“3トーン・サンバースト”に変更された。 これは,フェンダーがライバル視していたギブソンで, 同時期からレスポール・スタンダードに チェリー・サンバースト・フィニッシュを採用したことと無関係ではないだろう。 フェンダーの3トーン・サンバースト・フィニッシュは, ちょうどスラブ・ローズウッド指板が採用され始めた'59年中期頃から'60年頃にかけては, 経年変化で塗料の赤みが抜けて,この'59年モデルのように2トーン・サンバースト風に見える傾向にある。

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