'65 JAGUAR Sunburst/Rose SOLD

'61年当時,ラインナップの最上級モデルであったジャズマスターの さらなるグレード・アップ・モデルとして開発された“ジャガー”は,'62年中期に正式発表された。 ジャガーは,ジャズマスターで採用されていたボディ形状やトレモロ・ユニット, プリセット・コントロールなどを継承したが, ネック・スケールは当時のフェンダーでは初採用の24インチ(ジャズマスターは25 1/2インチ), やはりフェンダー・ギターの中で唯一のミュート機構を装備したモデルでもあった。 また,当初からラージ・ヘッド・スタイル(ただし当初はジャガー独自のヘッド形状) でデザインされたモデルでもある。 ちなみにジャガーの生産開始時期は,すべてのフェンダー・ギターで, それまでのネック材のメイプルとローズウッド指板との接着面が平面状の 通称“スラブ・ローズウッド”指板から, 接着面が曲面状のラウンド・ローズ指板に仕様変更されていく過渡期である関係上, ジャガーに関してはスラブ・ローズ仕様のものは,生産開始直後の少数のみしか存在しない。 また発表当初のジャガーのピックアップは, ポールピース上部の高さが整えられた通称“フラット・ポールピース”であったが, '64年頃からは各弦で高さの異なる通称“スタガード・ポールピース”に変更されている。
指板に埋め込まれたポジション・マークは,当初は光沢のない通称“クレイ(粘土状)ドット”から, '64年後期から'65年初頭にかけて,光沢のある通称“パーロイド・ドット”に変更された。 そして'65年後期にはネック両端にバインディングが入れられ (通称“バインディング・ドット・ネック”), さらに'66年中期にはブロック(四角)ポジション・マーク (通称“バインディング・ブロック・ネック”)に変更されていく。 また,ヘッド形状は発表当初のジャガー・オリジナル・スタイルから, '66年後期頃にはストラトと共通のラージ・ヘッドへ変更されていく。 同時期はクルーソン製のペグから, フェンダー・オリジナルの通称“Fキー”に切り替えられていく時期でもある。
'65年2月のネック・デイト(ネックのエンド部分にある木加工終了の年月スタンプ)を持つ この'65年モデルは,そうした仕様変更の流れで, バインディングなしのパーロイド・ドット仕様のネックで,ペグにはクルーソン製が取り付けられている。


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