'72 STRAT. Candy Apple Red/Rose
SOLD

'71年後期,ストラトキャスターのネックはほかのモデルに先駆けて, それまでの4点止め(4本の木ネジでボディとジョイント)から, 3点止め(3本のうち2本が木ネジ,1本がボルト)に仕様変更されている。 4点止めネックではトラスロッドの調整はエンド側で行なうが, 3点止めネックではヘッドのストリング・ナット上部に取り付けられた 通称“ブレット・ナット”で行なうようになっている。 また,3点止めネック方式では,ボディ側のネック・ポケットに組み込まれたイモネジによって, ネック仕込み角度を変化させることができる“マイクロ・ティルト・アジャスト”機能を備えている。
それまで,ストラトキャスターのトレモロ・ユニットは, プレート部分とブロック部分が分離するスティール製のものだったが, '72年の前期には写真のモデルのように, プレートとブロックが一体化した亜鉛ダイキャスト製に, またブリッジ・サドルもほぼ同時に,それまでのプレス式スティール製から ダイキャスト製に変更されている。
ヘッドに取り付けられたストリング・ガイドは,この'72年モデルの場合はひとつだが, '72年後半からは3〜4弦用が加えられふたつになる。
'70年代に入ってからのストラトキャスターは, '71年に待望のメイプル1ピース・ネックが復活した影響で, ローズウッド指板モデルの生産比率が極端に少ない。
ストラトではサンバースト・フィニッシュをスタンダード・カラーとして, この“キャンディ・アップル・レッド”のようなサンバースト以外のボディ・カラーは, カスタム・カラー(割増料金のオプション・カラー)という扱いであった。 キャンディ・アップル・レッドは'60年代中期頃までは比較的,数多く生産されたが, '73年で姿を消してしまうという事情からも伺えるように, 特に'70年代に入ってからはほとんど生産されなくなってしまったようだ。 そうした関係で,3点止めネック期のストラトでは,目にする機会の極めて少ないカラーと言える。

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