'63 EPIPHONE WILSHIRE Cherry
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1928年にニューヨークで発足(前身の会社は1873年に創業)した“エピフォン”。 '57年にギブソンの当時の親会社“CMI”に買収されたことで, 翌'58年にはギブソンのカラマズー工場内でエピフォン製品は生産されるようになった。
この“ウィルシャー”は'59年に発表されたモデルで, 先行して発売されていた“コロネット”や“クレストウッド”(共に'58年発表)”と同様に, 当初はペグが左右に3個づつ並ぶヘッド形状と, 左右のホーンが同じ長さの1 3/4インチ厚のボディ・スタイルだったが, '60年頃に 1 3/8インチ厚でエッジが丸みを帯びたボディ形状になった。 さらに'63年には,この'63年モデルのように片側に6個のペグが並ぶヘッド形状に変更。 そのヘッド形状は,本来はエピフォンの頭文字“E”をモチーフとしたと言われているが, コウモリの羽に似ていることから通称“バット・ウィング・ヘッド”と呼ばれる。 また同時に,ボディ形状も6弦側ホーンがやや長めなスタイルに変更された。
'59年の発表当初のピックアップは,ギブソン製の“P-90”シングル・コイルが搭載されていたが, '62年頃には,この'63年モデルのようなミニ・ハムバッキング・ピックアップに変更されている。
'62年頃からは“マエストロ・ビブラート”という トレモロ・ユニットが取り付けられているものが多くなるが, この'63年モデルはオリジナルのストップ・テールピース仕様だ。 これは,通称“アルミ・テールピース”のニッケル・メッキ・バージョンで, '50年代ギブソン・レスポール・スタンダードや'64年頃までのES-335TDと共通パーツだ。 '60年代のSGはトレモロ・ユニットが標準装備なこともあり, このテールピースは極めて貴重なパーツと言える。 またブリッジは,裏側に“GIBSON ABR-1”とレリーフされたニッケル・メッキのもので, これも'65年前期までのES-335やES-345,SGスタンダード,ファイアバードV などにしか使用されていないため,貴重なパーツだ。
この'63年モデルには,同時期のギブソンに採用されていたメタル・プレート付きの “トップハット・ノブ”がオリジナル・パーツとして取り付けられているが, '63年途中からは,エピフォン・オリジナル・スタイルの円柱状(サイド全体にギザヒザ)ノブが 取り付けられるようになる。

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